「関西国際戦略総合特別区域地域協議会」事務局を官民一体で設置
2013年4月1日、事業のさらなる推進の強化を図るために、官民一体となる「関西国際戦略総合特別区域地域協議会」事務局が設置された。関西特区全体の司令塔として、国との協議・照会・申請などの対応窓口の一元化と、協議会内の情報共有により事業を円滑に推進する。関西の持てる力を発揮するため、オール関西でイノベーション創出とその事業化、産業化に取り組む。
本事務局は、事務局長を筆頭に、関西特区の申請自治体より7名、関西経済連合会より6名の官民連携で構成されている。
出典:関西イノベーション国際戦略総合特区パンフレット
◆おもな業務内容
1.協議会の委員会など諸会合の運営、協議会内での情報共有
2.国との協議・照会・申請に関する総合調整、関西一体となった国への働きかけ
3.連携方針のPDCA、連携方針に基づく事業の具体化と推進支援
4.特区事業への企業等の参画拡大に資する産学の交流促進や情報発信
5.関西特区全体の総合的かつ一体的な推進に必要な業務 など
同協議会のHPはこちら
http://kansai-tokku.jp/
地域発の先駆的なチャレンジを、国、自治体、企業が協働して実現していく制度である。
「日本再生戦略」実現への突破口として、エネルギー、医療、農業などの11戦略分野を中心に、先駆的な取り組みを行なう実現可能性の高い区域に国と地域の政策資源を集中する。
地域の包括的・戦略的なチャレンジを、規制・制度の特例、税制・財政・金融措置などオーダーメイドで総合的に支援
総合特区ごとに設置される「国と地方の協議会」で国と地域の協働プロジェクトとして推進する。
2つのパターンの「総合特区」
<国際戦略総合特区>
国の経済成長のエンジンとなる産業・機能の集積拠点の形成
(環境・次世代エネルギー、バイオ・ライフサイエンス、研究開発、
国際港湾、アジア拠点、国際物流、コンベンション、農業)
<地域活性化総合特区>
地域資源を最大限活用した地域活性化の取組による地域力の向上
特例措置・支援措置
<規制・制度の特例措置>
全国的な展開に踏み切れない規制の特例を区域限定で実施
→ライフイノベーション、グリーンイノベーション等の本格展開の突破口
地方公共団体の事務に関し、政省令で定めている事項を条例で定められる
→地方分権を加速する突破口
<税制上の支援措置>
(1)国際戦略総合特区
国際競争力強化のための法人税の軽減
→国際競争力のある産業・機能集積拠点整備
(2)地域活性化総合特区
地域戦略を担う事業者に対する個人出資に係る所得控除
→地域の志のある資金を結集
その他、関係府省の予算を活用する財政支援措置、利子補給制度として金融上の支援措置がある。
(参考)首相官邸 関西イノベーション国際戦略総合特区
http://www.kantei.go.jp/jp/
singi/tiiki/sogotoc/toc_ichiran/toc_page/k6_kansai.html
関西は、製薬やiPS細胞、蓄電池など世界でトップレベルの研究機関や企業が集積している。日本の国際競争力を強化するため、関西圏内の資源を有機的に結びつけ、研究開発から実用化までのスピードアップをめざした「関西イノベーション国際戦略総合特区」の取り組みを紹介する。
「関西イノベーション国際戦略総合特区」とは
規制緩和や税制優遇、金融支援により国際競争力の高い産業を育てようと、全国7地域を指定した国際戦略総合特区のひとつ。「関西イノベーション国際戦略総合特区」は、新たな事業展開を狙い大阪府、兵庫県、京都府と3政令市(大阪市・神戸市・京都市)が共同申請したものである。関西はライフとグリーンの2分野を掲げ、「
ライフ分野
」では医薬品、医療機器、先端医療技術、先制医療、「
グリーン分野
」ではバッテリー、スマートコミュニティを重点にイノベーション創出をめざす。
出典:関西イノベーション国際戦略総合特区パンフレット
◆2025年に向けた目標
2010年 2025年
医薬品
約1,890億円 → 7,800億円
医療機器
約660億円 → 2,800億円
先端医療技術
関西からの輸出シェア倍増
先制医療
関西からの輸出シェア倍増
リチウムイオン電池
約2,300億円 → 3兆8,500億円
太陽電池
約2,500億円 → 1兆1,300億円
関西特区では、府県域を超えた連携を図りながら
ライフ、グリーン分野
を推進し、9つの地区でそれぞれ特色のある事業を展開している。
出典:関西イノベーション国際戦略総合特区パンフレット
◆各地区における主な事業について
京都市内地区
創薬、医療機器、再生医療
けいはんな学研都市地区
旧「私のしごと館」を活用したスマートコミュニティオープンイノベーションセンターの整備、次世代エネルギー・社会システム実証事業の推進
北大阪地区
新薬開発、革新的医療機器の創出、再生医療やBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)など先端医療技術の確立、スマートコミュニティのビジネスモデル構築
大阪駅周辺地区
関西都市圏のアジア中枢拠点の形成を目指し、「ナレッジキャピタル(知の集積拠点)」を中心とした環境、医療分野等の各事業を展開
舞洲・咲洲地区
スマートコミュニティ実証やバッテリー戦略研究センター機能の整備など、主に環境・エネルギー技術等の事業の推進
神戸医療産業都市地区
最先端医療技術の実用化、医療機器の研究開発支援、先制医療の基盤形成、スーパーコンピューター「京」を活用した革新的な創薬開発
播磨科学公園都市地区
SPring-8、SACLA、スーパーコンピューター「京」、FOCUSスパコンを活用した画期的な新薬や次世代省エネ材料の開発
関西国際空港地区
医薬品等輸出手続きのスピードアップや物流品質の向上、貨物便ネットワークの拡充
阪神港地区
基幹航路を維持・拡大するための集荷機能の強化や、産業立地促進による創荷等
ビジネスチャンスを広げ 市場化を加速するために
関西の持てる力を発揮するために、産学官の連携を進める「関西イノベーション国際戦略総合特区」について具体例を紹介する。
<ライフ分野>
『ライフ分野』は、大学や研究機関、科学技術基盤の連携をはかり、医薬品、医療機器産業の成長を支え、再生医療の実用化と先制医療を促進するために、4つのプラットフォームを設定している。
・ 医薬品開発促進プラットフォーム
・ 再生医療実用化促進プラットフォーム
・ 医療機器等事業化促進プラットフォーム
・ 先制医療促進プラットフォーム
■医薬品:開発から生産、輸出入手続きのスピードアップ化で世界に挑む
(神戸医療産業都市地区・播磨科学公園都市地区・関西国際空港地区)
関西には、薬の町として知られる道修町を発祥とする製薬会社をはじめ、医薬基盤研究所など世界屈指の研究機関が集積している。バイオ医薬品など最先端の研究開発から生産、輸出入手続きのスピードアップをはかり、新薬のいち早い海外展開をめざす。
<取り組み>
SPring-8・SACLA・京を活用し、分析からシミュレーションまで一貫したサポートを行ない、基礎研究の期間を短縮する。
医薬基盤研究所の実用化支援で、応用研究・非臨床試験から企業の治験までの期間を短縮する。
薬監証明について電子化実証実験を進める。関西国際空港において、医薬品などの輸出入手続きの電子化・簡素化に取り組む。
<グリーン分野>
関西は、新エネルギー産業分野において大手電気機器メーカーが集積し、特にリチウムイオン電池の国内生産額は、全国の約8割を占める(2010年)。
『グリーン分野』では、関西の強みを活かした市場展開を後押しする仕組みとして、スマートコミュニティおよびバッテリーの事業化を促進することを目的に『スマートコミュニティ/バッテリー事業化促進プラットフォーム』を設定している。
出典:大阪市「咲洲地区スマートコミュニティー」資料
■コミュニティーで電力・熱エネルギー使用の最大効率化をめざす
咲洲地区スマートコミュニティ実証事業(夢洲・咲洲地区)
低炭素社会への取り組みと、再生可能エネルギー開発をめざし、大阪府咲洲庁舎内にバッテリー戦略研究センターを開設した。産学官の連携により、新エネルギーの開発と実証事業が進んでいる。
<取り組み>
再生可能エネルギーの創出に向け、大阪市のごみ焼却場(舞洲工場)にて「ごみ発電」を活用した電力システムを実証中である。低コストで安定した電力供給をめざし、メガソーラーや蓄電池などの電源を組み合わせた世界初の電力供給システムを構築中である。
地域におけるエネルギー融通技術の開発のため、ニュートラム南港ポートタウン線のコスモスクエア駅から中ふ頭駅までの鉄道網で「ごみ発電」などを活用した電力システムの実証事業が進んでいる。ピンポイントでの電力供給が可能なため、非常用電源としての供給にも期待が寄せられる。
知的創造拠点・うめきた「ナレッジキャピタル」で産学官の交流促進
(大阪駅周辺)
2013年春にまちびらきを行なった、うめきた先行開発区域「グランフロント大阪」、その中心施設であるナレッジキャピタルは、産学官の連携による「感性」と「技術」の融合により「新たな価値」を創出する知的創造拠点として重要視される。うめきたを含む大阪駅周辺地区は、関西イノベーション国際戦略総合特区の拠点である。
ナレッジキャピタルには、最新技術の試作機などが展示される「ザ・ラボ みんなで世界一研究所」、販売も行なう次世代型ショールーム「フューチャーライフショールーム」、研究者やクリエイターらの会員制交流施設「ナレッジサロン」などがある。関西から世界へ発信する知的創造活動の場として、多方面からの期待が寄せられる。
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