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取材協力:水都大阪推進委員会 事務局 |
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大阪は大都市の中心にロの字型の大きな水路が走る、世界的にもめずらしいロケーション。この都心部を囲む川を「水の回廊」と位置づけ、船着場の整備や水辺周辺のライトアップ、イベントなどさまざまなプロジェクトが進行中である。生命の源である水、人間活動の場としての川を見直し、「水都大阪」再生の街づくりムーブメントが動き出している。
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中之島は、北を堂島川、南を土佐堀川で囲まれた東西約3.4kmの細長い中洲
提供:水都大阪推進委員会 |
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●水都大阪の誕生 |
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・水上交易の中心都市
難波津の時代、現在の上町台地に都がおかれ、瀬戸内海各地や九州、さらには大陸との交易・交流によって、大阪に新しい技術や文化が持ち込まれた。その後、豊臣秀吉が大阪城の外濠として東横堀川を掘ったのを皮切りに、戦国時代から江戸時代まで、都市開発とともに数多くの堀川の開削が盛んにおこなわれた。堀川は物流の動脈として、「天下の台所」を支える重要な役割を担う。 |
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江戸時代には「江戸八百八町」に対して「浪華八百八橋」とうたわれる。市内の橋は200橋程度だったようだが、大阪を舞台にした浄瑠璃や芝居、大阪の名所を描いた錦絵「浪花百景」などにも、橋は数多く描かれ、川とともに橋が大阪を象徴する存在であったことがうかがえる。現在でも心斎橋や四ツ橋、長堀橋など、主要な地点に橋の名が多く残されている。 |
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・国内初の電力イルミネーションを実施
大阪は、光に彩られた華やかな「光の都」でもある。明治36年(1903年)、天王寺一帯で開催された「第5回 内国勧業博覧会」において、国内では初の試みとなる電力による「イルミネーション」が実施された。建物を縁取る電飾だけでなく、噴水や彫刻などがライトアップされた。その後、市街地の景観も転換し、道頓堀界隈の水際が「赤い灯、青い灯」とうたわれる夜景の名所になった。この頃から、大阪は先進的な「光のまちづくり」を進めている。 |
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●「水都大阪」は、水と光のまちづくり |
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2001年の「都市再生プロジェクト」の指定、そして2003年の「水の都大阪再生構想」や「大阪 花と緑・光と水のまちづくり」提言などを受けて、国・大阪府・大阪市・経済界が一体となり、オール大阪で「水と光のまちづくり」を推進している。
2009年には、シンボルイベントとして「水都大阪2009」が50日間、開催された。「水の回廊」などを中心とした市内各所において水と光に関する活動が展開され、昼と夜のまちの楽しさを再発見できるきっかけとなった。水都大阪の取り組みを通じて、川に背を向けていた建物が改修され、常設の川床が誕生するなど、まちづくりへの機運が高まった。2010年4月、「水都大阪推進委員会」が発足し、大阪=水都というブランドの確立と発信をめざしている。 |
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「水の回廊」を大阪のシンボルに
大阪市の中心部に位置する、堂島川・土佐堀川・木津川・道頓堀川・東横堀川がロの字型の回路を作っている「水の回廊」。なかでも、ロの字の上部にあたる中之島エリアにおいては、2010年7月に中之島公園が都心のオアシスとして再生され、水の都大阪のシンボルともいえるエリアを形成している。 |
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・着々と進む水辺のまちづくり
エネルギーあふれる大阪に、にぎわいと潤いをプラスし、水辺の存在感は増している。 |
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・道頓堀川 とんぼりリバーウォーク
道頓堀川では遊歩道が整備され、現在は川沿いの多くのビルが川に向いている |
Before(1998年頃) |
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After(2005年) |
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・道頓堀川 湊町リバープレイス |
Before(1998年) |
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After(2009年) |
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・八軒家浜 |
Before(2006年) |
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After(2008年) |
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●官民協働のこれまでにない取り組み |
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水都大阪は、行政だけでなく、経済界と市民とが協働で事業を行っている。
河川は氾濫を防ぐ堤防であるという位置づけから、法律に基くさまざまな制約があるが、「川と街の連続性をつくりたい」と地域の発意のもと実現したのが、河川の民間活用である。
「大阪ならではの風物詩をつくりたい」との想いを共有した官民協働の働きかけで、前例のない川床(かわゆか)が誕生した。 |
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「北浜テラス」
土佐堀川に面する「北浜テラス」は川の桟敷席。「水都大阪2009」での試みが継承され、1年を通じて川床を楽しむことができるようになった。民間による公共ストックの積極的利用をはかる試みとして注目を集めている。 |
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●~水辺のまちあそび~「水都大阪フェス2012」開催 |
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大阪の魅力を発信するイベントとして2009年に初開催された「水都大阪」から、水辺の楽しみ方やまちの魅力づくりを推進するプロジェクトが毎年行われ4年が経過した。
「水都大阪フェス2012」は、「水都大阪2009」から継承されたつながりやノウハウを生かしながら、新たなネットワークを築き、これまでにない水辺の使い方にチャレンジした。地域、活動団体が主役となり、行政や企業等と連携を図りながら、水都大阪の魅力を最大限に引き出す協働型のプログラムを実践する。
中之島公園では、子どもから大人までが楽しむことのできる「水辺ピクニック」や水辺を使った楽しいプログラムを展開。「つなぐプロジェクト」と題した市民公募のイベントでは、選ばれた45団体がさまざまなパフォーマンスや展示、ワークショップなどを実施し、水辺を盛り上げた。催しを重ねるごとにパワーアップし、メイン会場となった中之島公園には9日間で23万7,000人もの来場者が訪れた。
参考URL:http://www.osaka-info.jp/suito2012 |
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おおさかカンヴァス推進事業2012
大阪のまち全体をアーティストの思いを実現する場として「カンヴァス」に見立て、大阪の新たな都市魅力を創造・発信するアートイベント。 |
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・イッテキマスNIPPONシリーズ“花子” |
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無病息災を祈願して作られたといわれるこけしを高さ13mの巨大バルーンに仕立てた。圧倒的な存在感で大きな話題を集める。 |
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・GREEN to CLEAN |
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川を舞台に、グリーンに見立てた船に向かって、ゴルフボールを打ちこみホールインワンを狙おうという参加型作品。ボールは水溶性で環境や安全性に配慮したものを使用。 |
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・中之島ホテル |
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中之島バラ園の公衆トイレの一部を取り込んだ建物を建て、実際に宿泊体験できるホテルとしてオープン。 |
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・「ラバー・ダック」展示 |
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「水都大阪2009」開催時に八軒家浜に展示以降、大反響の「ラバー・ダック」。
普段とひと味違った水辺の風景に人気が集まる。 |
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つなぐプロジェクト |
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・水上さんぽ |
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約11㎞におよぶロの字の「水の回廊」を約4時間かけてゆっくりめぐる「水上さんぽ」。パドルを漕いで進む感覚が、冒険心をくすぐる。水都大阪フェス2012では、中之島ローズポートをスタート起点として30分程度の体験ツアーが組まれ、人気が集まった。 |
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・「北新地ガーデンブリッジカフェ」社会実験
水都大阪の新たな取り組みとして、橋の上にオープンカフェが出現。中之島の風景を楽しみながら過ごす橋上のカフェはこの時だけ。日替わりで楽しいプログラムも開催された。 |
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・大阪水辺バル2012
船着場周辺に二日限定の「バル街」が出現。「大阪のうまい」を舟ではしごする、水都大阪ならではのまちなかバルイベント。昨年度の5エリアから9エリアに拡大し、約130店舗で実施。 |
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●大阪ならではの水と光の情景を |
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大阪では、まち全体を「ミュージアム」に見立て、地域資源を発掘・再発見し、磨き・際立たせ、結びつけることにより、大阪のまちの魅力を内外に発信する「大阪ミュージアム構想」を推進している。そこで、大阪独自の光で美しい風景を創り出そうと「水の回廊」を中心に、光のまちづくりが進んでいる。それは、光を使って「大阪らしさ」を際立たせることだ。水と光のまちづくりの目標は、世界に誇る「水都大阪」のブランド確立であり、おもてなしの心で彩る美しさである。 |
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夕刻を過ぎると橋や近代建築に灯がともり、潤いのある夜の街並みが姿を現す。七夕の願いを光の玉に託した「平成OSAKA天の川伝説」や冬の風物詩「OSAKA光のルネサンス」などのイルミネーションが四季折々の表情を演出し、夜のまち歩きを華やいだ時間に変える。水面に映り込む光は、ミナミや通天閣などのネオンとともに水都大阪ならではの光の情景を生み出し、歴史とまちの息づかいが聴こえてくるようだ。 |
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平成OSAKA天の川伝説
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OSAKA光のルネサンス
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●これからのイベント |
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OSAKA光のルネサンス2012 |
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◎中之島エリア
開催期間:2012年12月14日(金)~12月25日(火) 12日間
開催場所:北区中之島公園一帯
中央会場(大阪市役所~大阪市中央公会堂周辺)
東会場(中之島公園(バラ園など))
開催時間:午後5時頃~午後10時
堂島川と土佐堀川に囲まれた中之島中心部では、水都大阪らしい「水と光」が彩られるプログラムを開催。 |
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◎御堂筋エリア(御堂筋イルミネーション)
開催期間:2012年12月14日(金)~2013年1月20日(日) 38日間
開催場所:中央区御堂筋 淀屋橋交差点(土佐堀通)~新橋交差点(長堀橋)
開催時間:午後5時頃~午後11時
大阪のメインストリートである御堂筋を約1.9kmにわたってイチョウ並木に彩られる日本最長のイルミネーション。周辺の民間施設や空間などを活かした装飾やプログラムも展開。
参考URL:http://www.hikari-renaissance.com/ |
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水都大阪 光のリバースクエア2012 |
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◎八軒家浜エリア
開催期間:2012年12月14日(金)~12月25日(火) 12日間
開催場所:中央区北浜東 川の駅はちけんや周辺(地下鉄・京阪本線「天満橋」駅徒歩2分)
開催時間:午後5時頃~午後10時
「水都大阪」のシンボルとなる景観とにぎわいを持つ、水陸交通の拠点、八軒家浜が光輝く。大川を囲うようにライトアップされた「水と光」の幻想空間、大きなツリーやキャンドルアートに注目。
参考URL:http://www.osaka-info.jp/suito/river_square2012/ |
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以上 |
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