一般財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構が、設立10周年を迎えられましたことを、心からお祝い申し上げます。
大阪湾べイエリアの開発整備は、個性と魅力ある世界都市にふさわしい機能と良好な居住環境等を備えた地域とすることを目標として、平成4年12月に公布・施行された「大阪湾臨海地域開発整備法」に基づき、関係府県市が策定した整備計画の実施を関係機関の協調のもと促進してきており、一定の進捗をみているところであります。
これまで、各種の企画・立案、関係機関の合意形成促進など重要な役割を果たしてこられた(財)大阪湾ベイエリア開発推進機構をはじめとして、大阪湾臨海地域の開発整備を推進されてこられた産学官の関係者のご尽力に深く敬意を表する次第であります。
さて、大阪湾ベイエリアの開発については、国土庁の時代より、昭和62年3月に発表した「新しい近畿の創生計画(すばるプラン)」において「アジア・太平洋地域の経済交流や文化、学術交流の中枢となる世界都市として、21世紀に向けての近畿圏発展の共通の基盤となる大阪湾環状都市の形成」を謳うとともに、同年6月に策定された第四次全国総合開発計画において「大阪湾の湾岸部及びその周辺に位置する諸都市を一体的にとらえた都市圏の整備構想の推進」を示し、大阪湾べイエリアの開発整備に必要な事業や調査等を実施してまいりました。
そして、大阪湾臨海地域開発整備法の制定後、丸9年が経過しましたが、近年、バブル経済の崩壊以降の我が国の長引く経済状況の低迷のなか、関西経済あるいは地方公共団体の財政状況など非常に厳しい状況が続いております。
一方、大阪湾臨海地域開発整備法に基づく中核的施設でありますユニバーサル・スタジオ・ジャパンが好調であり、その波及効果が期待されること、ライフサイエンス関連の豊かな人材に恵まれ、研究施設等の集積も進み、着実な成果を上げていることなど、関西の活力向上が期待されている中、「大阪圏のライフサイエンスの国際拠点形成」、「御堂筋の再生」及び「堺・尼崎臨海部における緑の拠点の形成」などが都市再生本部の都市再生プロジェクトとして決定されたところであります。
このような新たな動きを踏まえつつ、大阪湾ベイエリアは、東京圏への諸機能の一極集中の是正並びに世界及び我が国の経済、文化等の発展に寄与するという思想を今後とも大切にしながら、21世紀社会にふさわしい都市を実現していく必要があります。このために、今後、取り組むべき課題は少なくありませんが、地元関係者の多大な熱意とご尽力の賜であり貴重な支援制度があります大阪湾臨海地域開発整備法を積極的に活用するとともに、関西に関連する都市再生プロジェクトを推進することが必要であると考えております。
そのため、今後はこれまで以上に関係者が一丸となった積極的な取り組みが求められており、特にその要である(財)大阪湾ベイエリア開発推進機構に期待される役割は、ますます重要になってきております。
国土交通省といたしましても、魅力と国際競争力ある都市の再生、環境にやさしい社会の実現、少子・高齢社会への対応、人の交流と競争力ある物流の実現、IT革命の推進など21世紀型課題に対し、幅広い守備範囲を活かして、大阪湾ベイエリア開発整備の一層の推進に努めてまいりますので、(財)大阪湾ベイエリア開発推進機構をはじめ関係者の皆様方におかれましても、尚一層ご尽力されるようお願い申し上げまして、お祝いのメッセージとさせていただきます。
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